いちばんやさしいネット炎上対策(2) - ネット炎上による風評被害とそのリスク

最近は企業SNSなどへの投稿や第三者による社外秘情報の露出によって炎上し、誤情報が拡散され、風評被害となって企業運営に支障をきたしてしまうというケースが多々見受けられます。しかし、一口に風評被害といってもその発生源や影響、収束の形は様々です。そこで今回は、企業SNS運用をはじめ企業としての正確な情報発信を行うために、ネット上の風評被害についてお話ししていきます。

風評被害の発生源と被害に至る経路を確認しましょう

風評被害とは、ある出来事をきっかけとして事実とは異なる情報がFacebookやTwitterをはじめとするSNSなどによって拡散され、消費者が企業に対して好ましくないイメージを抱いてしまうことを指します。それでは、風評被害はなぜ・どのような時に起こるのか。そしてどのような拡散経路を辿るのか。ここでは風評被害の全体像を把握していきましょう。

ネット上で風評被害が起こる前には、ほとんどの場合「投稿の炎上」「社外秘情報の漏洩」という事象があります。これは悪ノリした投稿、捏造ややらせなど投稿者側に属するものと、悪意を持った第三者からの操作、商品サービスの不満など企業に対する消費者の不信感などが火種となって起こります。

ネット上においてはポジティブな情報よりもネガティブな情報の方が拡散されやすく、最近はスマートフォンをワンタップするだけで数百の人に状況を知らせることが可能ですから、炎上してしまった場合は、企業側のコントロールを外れて情報だけが一人歩きをはじめ、瞬く間に数万~数十万というユーザーに広がってしまいます。

また、匿名掲示板などに事象が取り上げられ、誤情報であるにもかかわらず、批評された内容が広まってしまい、風評被害の規模が大きくなってしまうこともあります。

風評被害は売上や採用など企業活動に大きな被害をもたらす可能性があります

それでは風評被害が起きてしまった場合、実際企業にはどのような影響があるのでしょうか。風評被害の例としては「隠れた不買運動による売上の低迷」「人材採用の苦戦」「主要取引先からの契約解除」など、様々かつ複合的な被害を受けてしまうケースが見受けられます。

「隠れた不買運動による売上の低迷」とは、商品・サービスの質や、マーケティング手法に嫌悪を感じたユーザーが主観を述べ、「あの商品は買わない方が良い」という意図が暗に拡散されてしまうことによって起こります。また、対象となった商品・サービスをきっかけとして企業の存在自体に対する風評被害となってしまうケースも見受けられます。

「人材採用の苦戦」については、解雇した従業員の逆恨みや、不意に業務内容の一部が誤情報として露出してしまうことで「株式会社◯◯はブラック企業」というようなインターネット上の書き込みが発生し、内定辞退率が大幅に上がってしまったり、応募数の減少につながります。また、世間に蔓延する風評によって、働いている従業員のモチベーションにも影響してしまうケースもあるようです。

また、「主要取引先からの契約解除」については、悪評が立った会社との取引を継続することで自社も被害を被ってしまうと考えた取引先から契約解除を申し出られるというケースもあります。製造や仕入れなど、企業の生命線となる取引先との関係性悪化は、企業の存続に関わる状況にも陥りかねません。

風評被害が発生し収束するまでには“時間”がかかります

風評被害の発生から多くの人々に行き渡るスピードは、とてつもないスピードで拡散され、収束を迎えるまでには「人々が事象を忘れるまで」の時間が絶対的に必要になります。その間の企業対応に関しても、伝え方や対応を間違えれば二次被害、三次被害と被害規模が拡大していく可能性もあるため、風評被害が起きてしまった後の対応には、慎重かつルールに則った冷静な対処が必要です。

また、第三者の故意操作によって起きた風評被害については法的な措置を取ることもできますが、警察や裁判所に対して「ネット上の書き込みが被害の原因」であることを完璧に立証するのは難題かつ時間がかかるケースが多いそうです。また、損害賠償請求についても相手方に支払い能力がない場合は、泣き寝入りのように和解となってしまうこともあります。

完璧には防げない風評被害は、対応ルールなどの事前対策が必須

健全なSNS運用をはじめ、企業として適切な情報発信を心がけていても、第三者からの影響を考えると、完全に防ぎきれないのが風評被害の実情です。そのため、企業においては炎上した際の対応マニュアルの作成や、弁護士など専門家を相談者としてつけるなど、万が一の事態を想定した取り組みが必要となります。また、最近はネット状の風評被害対策専門のコンサルティング会社もあるため、事前に相談してみるのも良いかもしれません。

次回以降では、炎上した際の具体的な企業対応や、企業情報をパブリックに公開するためのルールづくりについても説明していきたいと思います。