いちばんやさしいネット炎上対策(5) - 炎上してしまった場合の対応の基本

どんなに注意していても100%防ぐことは難しいSNS投稿による炎上。それゆえに企業としてSNSを利用する際は、炎上してしまった後の対策までしっかりと考えた上での運用体制が必要になります。そこで今回は万が一炎上してしまった時に使える炎上後の対策についてお話してみたいと思います。

風評被害を起こさないような対応を意識する

炎上の最も怖いところは、炎上をきっかけとした風評被害です。つまり、事実と異なる悪い噂が一人歩きして企業のイメージを損ねてしまうということですね。そのため、炎上してしまった場合は風評被害が起きないよう意識した対応を心がけましょう。

それでは炎上してしまった時の風評被害につながりにくい対応とは一体どのようなものなのでしょうか。それは傾聴的応対→原因・事実の周知という流れで対応することです。

炎上して際によくありがちなのが、原因や事実のみを淡々と周知しつづけてしまう対応です。炎上とは、論理的な理由をきっかけとするものもありますが、中には企業が発信した情報を受けた「感情論のもつれ」がきっかけとなっている場合も多々あります。そのような状況で論理的な回答を続けていると、むしろユーザーもヒートアップして炎上の規模が大きくなってしまうこともあります。

そのため、炎上してしまった際は原因の究明や解決はもちろんのことながら、まずは傾聴的対応(相手の話に共感しひたすら聞き役に徹する)が、炎上対策のファーストステップです。

つまり、ユーザーの意見が事実と異なるものであったとしても反論や意見はせず「お客様は◯◯によって不快な思いをされたのですね」という姿勢で、話を聞くことに徹する必要があります。

この傾聴的対応は、電話やメール、謝罪文にも応用できますので、炎上が起きた際を想定してあらかじめフォーマットを用意しておくというのも一つの手ですね。炎上が起きた後では混乱してしまい冷静な判断ができなくなってしまいますから、炎上後対策は事前準備がとても大切です。

ユーザーの感情を鎮めたら、信頼回復に努める

傾聴的対応と時間の経過でユーザーの感情を鎮めることができたら、次は原因と事実を周知して信頼回復に努めます。ここでの対応において最も気をつけるべきことは「必ずありのまま全てを素直に報告する」ということです。

炎上後にその原因追求が求められる場合は、虚偽や隠ぺいはもちろん、事実を自社に都合の良いように断片的に伝えたりすることがないよう十分注意しましょう。

人はピンチの時、ついつい自分を守りたくなるものです。しかし、虚偽や隠ぺいを行い、万が一後から発覚してしまった場合は、かえって大きなダメージを受けてしまいます。そのため、炎上後の原因や事実の周知は正確に行うようにしましょう。

一方、この信頼回復というフェーズにおいては、良い対応ができればむしろ企業イメージの向上につながる場合もあります。企業の信頼回復につながる炎上後の対応には、「口だけの謝罪ではなく、ポジティブな行動で誠意を示している」という特徴があります。

これは、利益を一旦無視した商品・サービスへの改善投資など謝罪を含めた前向きな対応を指します。逆に責任をとって◯◯を辞めるなどのネガティブな対応については、社内が暗くなるだけで社会的なイメージ向上も見込めません。炎上後の対策として企業で行動を起こすならば、ポジティブな方向で動くようにしましょう。

ただ、営利的な意図がなくても炎上後の話題性を利用してキャンペーンなどを行うと、炎上商法として誤解を与えてしまう可能性もあるため、節度ある対応を心がけましょう。

業務妨害に関する警察や弁護士の対応について

炎上に限った話ではありませんが、あきらかな不買運動によって自社に不利益をもたらすようなユーザーがいた場合は、警察や弁護士へ対応を依頼するケースもあると思います。

しかし、インターネット上での出来事を事件・訴訟として持ち出すには、証拠集めが困難になってくるケースが多いようです。例えば、ユーザーの個人情報の開示請求一つをとっても、訴訟手続を経なければ開示してもらえないなど、困難を極める場合もあります。

また、風評被害による証拠集めにはコストも時間もかかりますから、結果的に泣き寝入りとなってしまうケースも多いようです。

そのため、最近では風評被害や悪評に困っている企業に向けて、インターネット風評被害専門のコンサルティング会社なども存在しています。自力での解決が難しい場合は、コストがかかりますが、コンサルティング会社に依頼するという選択肢もありますね。

今回は万が一炎上してしまった時に使える炎上後の対策というテーマでお送りしました。企業でSNSを運用していてまだ炎上後対策を整えていない方は、社内でミーティングを設けて担当者を決め、一次対応、二次対応というようにフェーズ分けして炎上後の対策マニュアルを作成されてみてはいかがでしょうか。